各グループのレパートリーはおもにキングストン・トリオ、ピーター・ポール&マリー、ブラザーズ・フォア、ニュー・クリスティ・ミンストレルズなど、アメリカのモダン・フォークが発足当初の主流だ。一方、日本のフォークやカレッジ・ポップス、またビートルズや洋楽ポップスをアコースティック・スタイルでレパートリーに取り入れるグループも多く、フォークに限らず70年代初頭らしいジャンルのクロスオーバーがすでにみられた。
さて、月に1度か2度、活動日に空き教室(主に1号館の2、3階)で全部員対象のミーティングが行われ、間もなくこれが「総会」と呼ばれるようになったと記憶する。その「総会」のあと、教室は各バンドの「発表会」の場となることがしばしばで、毎回数組が出演した。70年前半の発表会はマイクなし。それぞれの演奏に対して、中村さん、有若さんはじめ、山田和人さん、後藤美晴さん、石井満さんら、68年入学の3年生たちが講評やアドバイス、指導を行っていた。もっとも、バンドが増えるにしたがって「発表会」は長時間となり、講評は次第に行われなくなっていった。
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