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#04 ■1970 spring-summer  バンド誕生と発表会

  歓迎合宿の前後だったと思うが、定例の活動日は水曜日と土曜日となる(大半のサークルも同様だったはず)。しかし水・土以外にも多くのメンバーが連日、居心地のいい部室にたむろし続け、そうした交流からいくつかのバンドが誕生していった。先に触れたBad Riders#01参照)、安部俊雄さん(69年入学)、宮崎千早さん(69年入学)、朝倉隆(70年入学)によるトリオのSo and So、松島千枝子、柳田玲子、富田喜代治(いずれも70年入学)によるWe Cheese(ウィッチーズ)、坂田実、中村浄、花輪栄一(いずれも70年入学)によるThe Buddy、同じ高校の同級生だった佐藤憲子(70年入学)と坂田弓子(70年入学)のデュオ、Mayなどである。一方、鬼沢勝子(70年入学)や松尾喜代志(70年入学)らソロ・シンガー、また45名、あるいはそれ以上のメンバーで構成されたグループも数組生まれたと思う。


  各グループのレパートリーはおもにキングストン・トリオ、ピーター・ポール&マリー、ブラザーズ・フォア、ニュー・クリスティ・ミンストレルズなど、アメリカのモダン・フォークが発足当初の主流だ。一方、日本のフォークやカレッジ・ポップス、またビートルズや洋楽ポップスをアコースティック・スタイルでレパートリーに取り入れるグループも多く、フォークに限らず70年代初頭らしいジャンルのクロスオーバーがすでにみられた。


  さて、月に1度か2度、活動日に空き教室(主に1号館の23階)で全部員対象のミーティングが行われ、間もなくこれが「総会」と呼ばれるようになったと記憶する。その「総会」のあと、教室は各バンドの「発表会」の場となることがしばしばで、毎回数組が出演した。70年前半の発表会はマイクなし。それぞれの演奏に対して、中村さん、有若さんはじめ、山田和人さん、後藤美晴さん、石井満さんら、68年入学の3年生たちが講評やアドバイス、指導を行っていた。もっとも、バンドが増えるにしたがって「発表会」は長時間となり、講評は次第に行われなくなっていった。

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