この合宿で
はバンド練習のほか、有若さんの指揮・主導による全員コーラスの練習にかなりの時間が割かれた。曲はユニゾンで歌う「カレッジ・ソング」、二部もしくは三
~四部の混声合唱で歌う「グリーンスリーブス」と賛美歌405番「神とも
にいまして」の3曲。いわば
“シングアウト”の原型が、この時初めて実践されたとも言える。
しかし、こ
れには特に1年生からの
反発を浴び、「ぼくらは合唱サークルに入ったのではない」「バンド演奏が主体のクラブではなかったのか?」と、有若さんはじめ3年生に直談
判。その時初めて、創立者たちが想定していたASFそもそもの
主旨が、コーラス(全員での合唱)であったことを知る。これには驚いたが、最終的には後輩たちの要望を採り入れていただいた。
有若さんは
少々落胆されたかも知れない。が、こうした機会がなければ、「カレッジ・ソング」を覚える者は少なかったろう。賛美歌については、かつて有若さんがマンド
リン・クラブに在籍していたとき、「青学の音楽サークルはどこだろうと、必ず賛美歌を歌うものだ」と教わったのだそうだ。405番は中でも
特に有名な1曲で、クリ
スチャンでなくとも知っておいて損はない歌だ。今にして思えば、有若さんに感謝である。
また、この
合宿の前に太田恒寿さん、坂井幸雄さんら、2年生メン
バー(69年入学)も増え、1年生に偏っ
ていた部員構成のバランスがかなり整う。最初のガリ板刷り「名簿」が作られたのも、合宿前後、青山祭の前だったか? すでに60人の部員名
の記載がある。
合宿の最終
日は「発表会」。広間にマイクをセット。掲載写真でおわかりと思うが、ボーカル用のマイクを数台のギター・アンプに繋いでいる。合宿の中日あたりに、野外
でキャンプファイアーをやった記憶もある。周辺に配慮したか、アコースティック・ギターとベースでベンチャーズやブルース・ロックもどきを弾きながら、み
んなで踊った。まだ初々しさのあるASFの合宿だっ
た。
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